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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

現在、加賀守忠明の側近の一人牧田数馬が連絡者として、はまぐり町の本拠に常駐しているくらいである。

「それは慥かなんだな」

徹之助はむずかしい顔をいっそうむずかしくし、怒ったような眼で弟を見た。

そこには二人しかいなかった。

休之助が二人だけで話したいと云ったのである。そうして、彼の話は重大な意味をもっていた。

「二百石積みばかりでしょうか、かなり大きな船が二艘これはずっと沖にいるんです」

と休之助は云った。

「そうして夜になると、五艘ばかりの荷足船で、水門からなにか邸内へ運び込むのです、夜の十時過ぎから、夜明け前三時ごろまで、休みなしに運び込んでいました」

「沖の本船から積下ろすことがわかるのか」

「往復する櫓音でほぼ見当がつきますし、ほかに大きな船が泊っていないのですから、間違いはないと思います」

徹之助はもっと渋い顔をした。

紅雀も、イスパニア文も、浜屋敷で発見された。甲野の家はむろん浜屋敷の中に在って焼かれた。かれらが、「朱雀」という符牒で呼ぶこの陰謀に、浜屋敷がなにかの関わりをもつことは慥かである。

――そうであってはならない。

紀州家は徳川一門であり、御三家の一であった。