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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens
早々に処分するよう」
庄吉の、しゃがんでいる出窓の上で、低い話声がした。
「ああまでせんでええになあ」
「別嬪だのう。もう、明日から拝めんぞな」
「じゃあ、御供して――」
庄吉が下から
「つかんことを、お尋ねしますが」
窓の内部の門番は、さっと、顔を引いた。
「あの――あれは一体――御引越しかなんかで――」
門番は、答えなかった。
(薩摩っぽうって、恐ろしい、つき合いの悪い奴ばかり揃ってやがる――手前に聞かねえでも、追ん出したたあちゃんとわかってるんだ。唐変木の糞門番)
道具を運んでいた人々は、門内へ入ってしまった。暗い大門の軒下で、人通りの少い雨の往来であったが、時々通る人は、立止まってまで、六人と、道具とを眺めて通った。
(何んと挨拶しゃあがるか――とにかく、ぶっつかってみろ。だまっちゃ、何んしろ、居れないことに、なって来やがるんだからなあ)
庄吉は、勢いよく立上った。そして、真直ぐに六人の方へ歩いて行った。
「いつぞやの者でござんす」
庄吉は、小太郎に、お辞儀をした。小太郎は、じっと睨みつけたまま、口を利かなかった。深雪が
「ああ――先刻の?」
「ええ先刻の野郎でございます」