Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens

Aozora Bunko

わしの亡くなった後、誰が継ぐかと申せば、久光の外にない――」

「いえ、若君が――」

「それはよいとして、その若の後見は誰がする?」

「はっ」

「まさか、ただ今申した家老の愚かしいのにも任せておけまい。したなら、久光の外にあるまい。今、私の考えていることを実行さして、天下を安きにおくのには、名越、わしと、久光と二代がかりの仕事じゃ。そして、わしと、久光とより外、余人にできぬことじゃ。そして、わしと、久光とだけが、それを知っている」

斉彬は、ここまでいって、急に、言葉の調子を変えた。

「ところがの――打明け話をすると、わしは、未だ部屋住同様の上に、父上の受けも、調所の受けも、家老共の受けも、よろしゅうない。受けの悪いくらいは、まあよいとしても、金が出ん。これは困る。ところが、久光が、一々わしの意を継いでくれて、わしがこうしたいというと、よろしいと引受けては、金を引出してくれる。わしは、このくらいいい兄弟は無いと思うている。磯ヶ浜の鋳製所も、久光が調所にねだってくれたので、出来たのだしのう――」

斉彬は、笑いながら

「船を作ろうとして、シリンドルと、シャフトを鋳造したいと申したら、久光が、由羅の臍繰から、捲上げて来てくれた。