Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,804 characters · 225 screens
「観音様へ朝詣りをするつもりで、フラリと出掛けると、途中で大変なことを聴き込んだのさ。お前に飛込まれるばかりが能じゃあるまいと思ったから、今日は俺の方から、『大変』をけしかけに来たんだ。驚いたか、八」
「驚きゃしませんよ。まだ、親分は何にも言ってないじゃありませんか」
「なるほど、まだ言わなかったのか。――外じゃない。広徳寺前の米屋、相模屋総兵衛が、昨夜人に殺されたんだとさ」
「ヘエ――。あの評判の良い親爺が?」
「どうだ、一緒に行ってみないか」
「行きますよ。ちょいと待って下さい親分」
「これから飯を食うのか」
「腹が減っちゃ戦が出来ない」
「待ってやるから、釜ごと齧らないようにしてくれ。あ、自棄な食いようだな。叔母さんが心配しているぜ。早飯早何とかは芸当のうちに入らない」
「黙っていて下さいよ、親分。小言をいわれながら食ったんじゃ身にならねえ」
「六杯と重ねてもか」
そんな事を言いながらも、八五郎は飯を済ませて、身仕度もそこそこに飛出しました。
広徳寺前までは一と走り、相模屋の前は、町内の野次馬で一パイです。
「えッ、退かないか。その辺に立っている奴は皆んな掛り合いだぞ」