Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens
そして、一番水の無い、膝通水の時の賃金は、人足一人が四十文で、乳下水に少し水嵩が増すと、川止めになるのであった。
水嵩が増しそうな気配だと云うので、旅人達は急いでいた。川会所の前には、そういう人々でいっぱいだった。役人が
「輦台二梃」
と、叫んで、木札で、台を叩いた。五六人の人足が
「おーい」
と、元気よく答えて、だらだらの砂道、草叢の中に置いてある平輦台の方へ走って行った。一人の人足が、群集の前に、編笠を冠って立っている二人の侍に
「あちらへ」
と、御辞儀した。
「急ぐぞ、人足」
そういって、侍は、すぐ、その人足の後につづいて、河原の方へ降りて行った。その会所の前の茶店から、一人の若侍が立上って、二人の侍の後姿を見ながら
「父上、あれは、池上氏と、兵頭氏では」
と、振向いた。
「似ている、そうらしい」
「見届けましょうか。何んなら、同行しても――」
「さ――」
小太郎が、一足出ようとした時、勢いのいい五梃の駕が、川会所前の群集の中へ、割込んで来て、駕の中から
「輦台、五梃、急ぐぞっ」
と、怒鳴る声がした。そして、垂れが上ると、一人の侍が、素早く、駕の外へ出た。八郎太は、歩きかけた小太郎に