Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens
「上方の模様は、何うだの」
と、三人の方へ、膝を向けて、筆を置いて笑った。
「はっ、調所殿を、初めまして――」
「いいや、そのことではない。京師では、勤王、倒幕の説が、盛んだと、申すではないか」
「よりより聞いておりますが――」
「何んと思うな?」
「浪人共の、不逞の業と、心得まする」
「そうかのう」
名越が
「寛之助様、御逝去の砌り――」
と、いい出すと同時に、斉彬は膝の前の銃を取上げて
「これが、村野、エンピールじゃ」
「はっ、エンピール銃」
「うん――今までのエンピールは、先籠めであったが、今度のは、改良して、元籠めになった。弾も、前には、円弾だったが、尖り弾になった。こうして、覗いてみい」
斉彬は、自分に近い銃をとって、銃口を眼に当てた。
「筒の中に、きりきり巻いた溝があろうがな。それも、改良されてからついたが、わしは腔線と訳した。つまり、弾丸が、滑り出よいように、且又、狙いの狂わんようと、そういう条をつけたものじゃ。よく考えてあるな。これが、スナイドル――」
斉彬は、成瀬の方へ、スナイドル銃を、抛げるように、押し転がした。
「これが、スペンセス――この紙に、書いてある」