Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 152,696 characters · 310 screens
「お菊さんはこの私が殺しました。――父さんは何にも知りゃしません。銭湯へ行ったのは本当ですが、私達より一と足先に家へ帰ったはずです。私を助けるために、そんな事を言い出したのでしょう」
急にこんな事を言い張ります。
こうなるとどれが本当の下手人か判らず、そうかといって、三人の縄付を奉行所へ送るのは、三つ股の源吉始め、行きがかりで立会った見廻り同心の顔にもかかわるわけで、しばらくは目白の番所に留め置いたまま、一と晩念入りに調べ抜くことになったのでした。
その晩――。
事件はとうとう、神田の平次へ持込まれました。
「平次殿に逢いたい。拙者は植村土佐守家来、吉住求馬と申す者だが――」
変な事からこの渦中に巻込まれた吉住求馬は、思案に余った顔を、銭形平次のところへ持って行ったのでした。
「ヘエ、私は平次で、――どんな御用でございましょう」
慇懃に迎え入れた平次に、吉住求馬は、事件の顛末を細々と物語りました。
「こんなわけだ。騒ぎが大きくなれば、自然主君の御名前にも係わる。それに、奥方御里方、酒井左衛門尉様への聞えも如何、――早急に片付ける工夫はないものか」
「…………」