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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 152,696 characters · 310 screens

Aozora Bunko

五

「そこで一つ、駒三郎か元助に、これだけの事を訊いて来てくれ、――瓢々斎は瓢箪を供養するのに、無瑕のまま埋めたか、それとも後で掘り出して使わないように、いちいち割るか切るかしたか」

「ヘエ――」

「それから、まだある。――瓢箪を土手下まで持って行くのに、人手を借りたか借りないか」

「それだけですか、親分」

「まア、そんな事でいい」

ガラッ八は飛んで行きました。

五

翌る日の朝。

「大変ッ、親分」

鉄砲玉のように飛んで来たのがガラッ八です。

「わッ、虫の毒だぜ、手前と付き合っていると、落着いて飯も食っちゃいられねえ」

平次は文句を言いながらも、大したイヤな顔もせずに、この早耳の天才を迎えました。

「落着いて飯なんか食っていられねえ、大変なんだ、親分」

「いつもの大変とは少し大変が違うようだね、どうしたんだい、一体」

「駒三郎が殺されましたぜ、親分」

「何?」

「場所は向島の土手下、瓢箪塚を掘り荒らした前だ」

「本当か、それは、八」

「本当も嘘もねえ、大変な騒ぎだ」

「よしッ」

銭形平次は箸を投り出すと、羽織を引っかけて、十手を懐にねじ込みざま、ガラッ八と一緒に飛び出します。

「まア」