Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 152,696 characters · 310 screens
「解るじゃないか、三十六の瓢箪に五千両の小判を隠したと気が付いたんだ」
「えッ」
「瓢箪の口からは小判は入らない。瓢箪に隠すなら、横に割るより外に工夫はない。俺はそれを訊きたかったんだ。それで瓢々斎が死ぬ前の日に瓢箪供養をしたわけもよく解る」
「そいつは本当ですか、親分」
ガラッ八は、平次の袖を押えました。五千両の小判というと、大商人の大身代です。それを大小三十六の瓢箪に隠すというのは、何ということでしょう。
「駒三郎は曲者だ、五千両の金をさがしあぐんでいるところへ、その事を聞いてハッと気が付いた。たぶん夜になるのを待ち兼ねて行ったんだろう。寮から土手の瓢箪塚は三十間とも離れちゃいない」
「…………」
「塚を掘って瓢箪を取出したところを、出し抜いた仲間の悪者に見付かり、その場を去らず殺されたんだろう」
「なるほどね、まるで見ていたようだ」
そんな事を言っているうちに、足の早い二人、渡し船を飛出して、寺島へ着いておりました。
土手下の瓢箪塚のあたりは、真っ黒な人だかり、利助の子分が二三人、声を涸らしてそれを追っ払っております。
「銭形の親分」
利助の子分達も、掛り合いで来ている露の家正吉も、ホッとした様子です。