Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 139,230 characters · 280 screens
考えがあるなら言ってくれ」
喜八は膝を乗出します。
「変なことを訊くようだが、この辺で俺の名前を知ってる者はあるだろうか」
平次は恐る恐るこんな事を言うのです。
「神田の銭形平次兄哥を知らない者があるものか。顔を知らなくとも、名前だけは子供でも知っているよ。身に覚えのある野郎は、銭形と聴いただけでも身顫いする」
気の良い喜八は立てつづけにこんな事を言うのです。
「そんなに煽てちゃいけない。じゃ――喜八兄哥の言うのを半分に聞いて、いよいよたった一つの術に取りかかってみよう。――ここに居るだけの人数で、尾久一杯に触れ廻して貰いたいんだ」
「何を触れるんだ」
「――神田の平次が来て、下手人の目星が付いたそうだから、明日は伊太郎照吉殺しも、お夏と清次郎の誘拐野郎も縛られるに違いないとこう言うんだ」
「本当かい、そいつは」
「まア、本当にしておいてくれ。――髪結床、居酒屋、出来ることなら村中の者皆んなに聴かせたい」
「そんな事ならわけがあるもんか。サアもう一度皆んなで行ってくれ」
「合点だ」
子分達はゾロゾロと出動して行きました。
「あっしは? 親分」
残ったのは八五郎と喜八だけ。