Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,804 characters · 225 screens

Aozora Bunko

親分さん、お願いでございます。私を助けて、主人の敵を討って下さい」

若くて生一本な権八は、平次の前に手を合せて、恥も外聞もなく泣くのです。

「拝むのは止してくれ。――話を聴くと、なるほどお前の言うのは本当だろう。あの晩五十両の金を持って、千住の大橋から帰ったと聴かなきゃ、俺だってお前を下手人にするよ。ところで、その晩主人から金を受取るのを、お道が見ていたと言ったな」

「いえ、それは」

「言い訳しなくてもいい。お前は先刻そう言ったはずだ。――金を持って故郷へ帰る気になったのは」

「ヘエ――」

「お前の智恵じゃあるまい、誰に教わった」

「そればかりは親分さん」

権八は尻ごみするのです。

「馬鹿ッ」

「ヘエ――」

平次がいきなり大喝すると、権八は雷鳴に打たれたように、がばと身を起して居住いを直しました。

「主人が殺されたんだぜ、おい。お前が泣いて有難がる御主人の総兵衛は、お前の不心得が切っかけになって人手に掛ったとしたら、お前にも主殺しの罪はないとはいえない」

「親分さん」

「さア言え、お前に金を持逃げする智恵をつけたのは誰だ。その人間が下手人だとは言わないが、それからたぐれば、下手人が知れるんだ。