Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
と、眸に、憐れを乞うように告げた。
なお問うと、袁煕は遠くへ逃げたという。――曹丕はつと寄って、むすめの前髪をあげて見た。そして自分の錦袍の袖で、娘の容顔をふいてやった。
「ああ! これは夜光の珠だ」
曹丕は、剣を拾いとって、舞わんばかりに狂喜した。そして自分は曹操の嫡男であると二女に明かして、
「助けてやる! きっと一命は守ってやる! もう慄えなくともいい」と云いわたした。
その時、父の曹操は、威武堂々、ここへ入城にかかっていた。すると、彼の郷里の旧友で、黄河の戦いから寝返りしてついていた例の許攸が、いきなり前列へ躍りだして、
「いかに阿瞞。もしこの許攸が、黄河で計を授けなかったら、いくら君でも、今日この入城はできなかっただろう」
と、鼻高々、鞭をあげて、いいつけられもしないのに一鼓六足の指揮をした。
曹操は非常に笑って、
「そうだそうだ。君のいう通りである」と、彼の得意をなお煽った。
城門からやがて府門へ通るとき、曹操は何かで知ったとみえ、番兵に詰問した。
「予の前に、ここを通過した者は誰だ! 何奴か!」
番の将士は戦慄して、
「世子でいらせられます」