Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
四
召使いのことばによると、早暁また悪友五、六人と組んで何処へともなく、出かけてしまったということであった。
四
翌日の道は、山岳にはいった。
ひとつの峠へきた時である。百人ばかりの手下をつれた山賊の大将が、馬上から、
「おれは黄巾の残党、大方裴元紹というものだ。この山中を無事に越えたいと思うなら、その赤兎馬をくれてゆけ」
と、道のまん中をふさいで名乗った。おかしさに、関羽は自分の髯を左の手ににぎって見せ、
「これを知らぬか」と、ただ云った。
すると、裴元紹は、はっとした容子で、
「髯長く、面赤く、眼の切れのびやかな大将こそ、関羽というなりとは、噂だけに聞いていたが……もしやその関羽は?」
「そちの眼のまえにいる者だ」
「あっ、さては」
驚いて馬から跳び下りたと思うと、裴元紹は、ふいに後ろの手下の中から、ひとりの若者を引きずりだして、その髻をつかむやいな、大地へねじ伏せた。
関羽には、何をするのか、彼の意志がわからなかった。
「羽将軍、この青二才にお見覚えありませんか、麓に住む郭常のせがれで……」
「おお、あののら息子か」
「実は、てまえの山寨へきて、きょう峠へかかる旅客は天下無双の名馬、赤兎馬というのにまたがっている。