Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
二
と、ありのまま答えると、曹操は激色すさまじく、
「わが世子たりとも軍法をみだすにおいては、断乎免じ難い。荀攸、郭嘉、其方どもはすぐ曹丕を召捕ってこい。斬らねばならん」
郭嘉は諫めて、世子でなくて誰がよく城中を踏み鎮めましょうといった。曹操は救われたように、
「むむ、それも一理ある」
と不問に付して馬をおり、階を鳴らして閣内へ通った。
劉夫人は、彼の脚下に拝して、曹丕の温情を嬉し泣きしながら告げた。曹操はふと、娘の甄氏を見て、その天麗の美質に愕きながら、
「なに。曹丕が。そんな優しい情を示したというか。それは怖らくこの娘が嫁に欲しいからだ。曹丕の恩賞には、これ一つで足りよう。他愛のないやつではある」
粋な父の丞相は、冀州陣の行賞として、甄氏を彼に賜わった。
二
冀州攻略もひとまず片づくと、曹操は第一着手に、袁紹と袁家累代の墳墓を祠った。
その時、彼は亡家の墓に焚香しながら、
「むかし洛陽で、共に快談をまじえた頃、袁紹は河北の富強に拠って、大いに南を図らんといい、自分は徒手空拳をもって、天下の新人を糾合し、時代の革新を策さんといい、大いに笑ったこともあったが、それも今は昔語りとなってしまった……」