Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
立つ鳥の声
一
孝心のあつい彼は母の筆を見るともう母のすがたを見る心地がして、眼には涙が溜ってくる――
庶よ、庶よ。つつがないか。わが身も無事ではいるが、弟の康は亡くなってしもうたし、孤独の侘しさといってはない。そこへまた、曹丞相の命で、わが身は許都へさし立てられた。子が逆臣に与したという科で、母にも縲紲の責めが降りかかった。が、幸いにも程※(「日/立」、第3水準1-85-21)の情けに扶けられ安楽にはしているが、どうぞ、そなたも一日も早く母の側に来てたもれ。母に顔を見せて下され――
ここまで読むと徐庶は、潸然と流涕して燭も滅すばかり独り泣いた。
立つ鳥の声
一
次の日の朝まだき。
徐庶は小鳥の声とともに邸を出ていた。ゆうべは夜もすがら寝もやらずに明かしたらしい瞼である。今朝、新野の城門を通った者では、彼が一番早かった。
「単福ではないか。いつにない早い出仕。何事が起ったのか」
玄徳は、彼をみて、その冴えない顔色に、まず、憂いをともにした。
徐庶は、面を沈めたまま、黙拝また黙拝して、ようやく眉をあげた。
「ご主君。あらためて、今日、お詫びしなければならないことがございます」