Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
何にしても、国中の大変とはなった。応急の手当を施して、すぐ孫策の身は、呉会の本城へ運び、ふかく外部へ秘した。
「華陀を呼べ。華陀がくればこんな瘡はなおる」
うわ言のように、当人はいいつづけていた。さすがに気丈であった。それにまだ肉体が若い。
いわれるまでもなく、名医華陀のところへは、早馬がとんでいた。すぐ呉会の城へのぼった。けれど華陀は眉をひそめた。
「いかんせん、鏃にも槍にも、毒が塗ってあったようです。毒が骨髄にしみとおっていなければよろしいが……?」
三日ばかりは、昏々とただうめいている孫策であった。
けれども二十日も経つと、さすがに名医華陀の手をつくした医療の効はあらわれてきた。孫策は時折、うすら笑みすら枕頭の人々に見せた。
「都に在任していた蒋林が帰りましたが、お会いなされますか」
すっかり容体が快いので、侍臣がいうと、孫策はぜひ会って、都の情勢を聞きたいという。
蒋林は病牀の下に拝跪して、何くれとなく報告した。
すると孫策が、
「曹操は近ごろおれのことをどういっているか」と、訊ねた。蒋林は、
「獅子の児と喧嘩はできぬといっているそうです」と、噂のまま話した。