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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志

吉川 英治

Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

四

しかし曹操も、また、

「それでは、折角の予の志もすべて空しい気がされる。今さら、わずかな路銀などが、君の節操を傷つけもしまい。君自身はどんな困窮にも耐えられようが、君の仕える二夫人に衣食の困苦をかけるのはいたましい。曹操の情として忍びがたいところである。君が受けるのを潔しとしないならば、二夫人へ路用の餞別として、献じてもらいたい」と強って云った。

四

関羽は、ふと、眼をしばだたいた。二夫人の境遇に考え及ぶと、すぐ断腸の思いがわくらしいのである。

「ご芳志のもの、二夫人へと仰せあるなら、ありがたく収めて、お取次ぎいたそう。――長々お世話にあずかった上、些少の功労をのこして、いま流別の日に会う。……他日、萍水ふたたび巡りあう日くれば、べつにかならず、余恩をお報い申すでござろう」

彼のことばに、曹操も満足を面にあらわして、

「いや、いや、君のような純忠の士を、幾月か都へ留めておいただけでも、都の士風はたしかに良化された。また曹操も、どれほど君から学ぶところが多かったか知れぬ。――ただ君と予との因縁薄うして、いま人生の中道に袂をわかつ。――これは淋しいことにちがいないが、考え方によっては、人生のおもしろさもまたこの不如意のうちにある」