Japanische Klassiker mit Furigana
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
Lesen Sie 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 260.015 Zeichen · 519 Bildschirme
この地冬期といえども、ほとんど降霜を見ることなく、降雪は絶無なりという。ゆえに、家屋は多く暑さをしのぐに適して、防寒の設備を欠くもの多し。しかれども、余の滞在当時は南風黄葉を吹き散じ、菊花多少凋落に傾けるを見る。しかして黄葉ありて紅葉なきは、降霜せざるためならん。
驟雨欲レ来雲脚低、客窓独坐昼凄凄、濠南秋色転堪レ愛、黄葉半庭菊一畦。
(いまやにわか雨がふろうとして雲は低くたれこめ、旅宿の窓べにひとり座して昼なおさむざむとした思いをいだく。豪州の南の秋景色はともあれいとおしむに足り、黄葉のなかばする庭には菊のひとむらがある。)
九日、曇り。晴雨定まらず。市中を一過するに、シドニーのごとく繁忙ならざるも、道路広く、街区正しく、遊園多く、なんとなく清閑を覚ゆ。ただし、中央一部の市街はシドニーに譲らざるも、その区域を離るるときは田舎市街のごとし。両市は万事に競争の態度をとり、メルボルン人はメルボルンをもって豪州に冠たりといい、シドニー人はシドニーをもって豪州第一とす。局外よりこれをみるに、シドニー第一、メルボルン第二と定めざるべからず。もし年代の上より比較すれば、メルボルンはシドニーより四、五十年の後に開市せるものにして、今より七十三年以前には一人の白人種を見ざりし地なりという。