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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうべいかっこく せいきょうにっき

井上円了・世界旅行記

井上 円了

Lesen Sie 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 260.015 Zeichen · 519 Bildschirme

Aozora Bunko

六、シンガポールに着す

夜に入りて月まさにくらし。満天星近く懸かり、港内の灯光上下点々、あたかも蛍火を見るがごとき観あり。今夕、福島将軍入港の報あれども、帰船後にして相会するを得ず。二十九日暁天解纜、西南に向かいて進行す。船客みな夏装をなし、食時扇風を用う。

六、シンガポールに着す

三十日(日曜)午後、驟雨一過。その翌日はすなわち十二月一日なり。早朝、雲際に山影を認む。これアンナンの南端なり。ホンコン以来、日一日より炎威相加わり、宛然三伏を迎うるがごとし。ときどき惰気眠りを促しきたり、筆を執るにものうし。ただ終日、甲板上に横臥するのみ。余よっておもうに、人の脳漿はバターに似たるか、暑気の加わるに従い、融解して水のごとくなるを覚ゆ。二日雷雨起こり、三日清風来たる。四日未明、シンガポールに着す。シャンハイよりホンコンまで海路八百海里余にして、ホンコンよりシンガポールまで、およそ一千四百五十海里なり。

シンガポールはマラッカ海峡咽喉の地にありて、実に枢要の港口なり。万国の船これに出入し、万国の人ここに輻湊し、その盛況これを十四年前に比するに、ほとんど別天地の観あり。その地赤道に接すといえども、常に濃陰日光をとざし、ときに驟雨暑気を洗い、やや清涼を覚ゆ。