Japanische Klassiker mit Furigana
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
Lesen Sie 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 260.015 Zeichen · 519 Bildschirme
四三、寒帯を出でて温帯に入る
三十一日、快晴。朝来一点の雲なく、風力減じて暖気加わる。左右の両岸には連山群島に応接しつつ、峡間を一過す。午前七時、寒帯を脱して温帯に入る。終日航進を継続し、いずれへも寄港せず。正午甲板にありて、試みに自ら太陽に向かいて起立せるに、その日陰の長さ六尺ありて、わが身長よりも長し。午後一時以後、岩石より成る小巒数百、海中に群立せる間を縫いて走る。その地形わが松島以上なるも、ただ樹木なきをもって荒涼を覚ゆ。二時に至り、海峡の最も狭くして、スエズ運河のごとき間を過ぐ。この日にわかに炎熱を感ず。今夕は九時十五分より太陽ようやく地平線下に沈みかかり、三十分に至りて全くその形を没す。ときに一天片雲なく、没後残光をとどめ、夜半なお余明あり。その光景、筆端のよく模写するところにあらず。太陽の地下に入るとき、新月なお西天に印して、一段の風致を添う。夜十一時半夜陰に入るも、なお暗黒なるに至らず。
八月一日、快晴。午前七時、船すでにオンダールスネス湾にあり。九時上陸す。奇峰峻嶺、互いに比肩し、頂上には残雪をとどめ、山麓には樹木繁茂し、渓流の両岸には麦田のすでに熟して、黄を帯ぶるを見る。