Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

ごらんなさい。時計塔のてっぺんの、避雷針の上で、白いものが、くるくる回っているではありませんか。

幻灯のまるい光が、そこを照らしました。夜空にひらめくまっ白なもの。人間ほどの大きさの、ふわふわした白いものが、風車のように、くるくる、くるくる、回っているのです。

小林君は、ふと、ヨシ子ちゃんの見たという白い幽霊を思い出しました。

「あいつは、あの幽霊じゃないだろうか。幽霊が、避雷針の上で、ぐるぐる回っているのじゃないだろうか。

いつかは、あの避雷針の上で、道化師がぐるぐる回ったことがある。あいつは回るのがすきだ。そして、そのあとでは、きっと、恐ろしい事件がおこるのだ。」

そんなことを考えて、ふしぎな風車を見あげていますと、白いものの回転が、だんだんゆるくなり、やがて、ぴったりとまりました。そして、その白い幽霊が、スウッと、こちらへ、とびついてきたではありませんか。

小林君は、ひじで顔をかばって、思わず、そこにしゃがみました。

目も口もない、のっぺらぼうの白い幽霊は、しばいの幽霊とおなじ、長いしっぽをひいて、小林君のあたまの上を、おそろしいはやさで、塀の外へとびさっていきました。