Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
塔上の怪
それなら、こんなに暗くはないはずですし、もっと音がするでしょう。
塔上の怪
そのあくる日のことです。山形屋の店で働いていた鳥井少年は、とつぜん、みょうなひとりごとをつぶやきました。
「あっ、そうだっ。そうにちがいない。どうしてそこに気がつかなかったんだろう。」
鳥井君は、あわてて主人のところへ行って、おゆるしを受けると、そのまま、店の外へかけだしました。行くさきは、近くの交番でした。交番には顔見知りのおまわりさんが、いましたので、いきなり、はいっていって、ゆうべ、鉄人Qのあとをつけたことを話しました。そして、それにつづけて、
「ぼく、いままで、そこへ気がつかなかったのですが、さっき、それがわかりました。あいつは、ゆうべ五重の塔の中へはいったのです。まさか、五重の塔にかくれるなんて考えてもみなかったので、ぼくは、その近所ばかりさがしましたが、塔の中へかくれなかったとすると、あんなに早く、姿をけせるものではありません。あいつは、塔の中のまっくらな部屋にミドリちゃんとふたりで、かくれているのです。ぼくの店から、買っていった食料は、ミドリちゃんに食べさせるのでしょう。