Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

「何をさしあげますか?」

と、あいきょうよくたずねました。

「パンとバターと、牛肉のかんづめと、ジュースをください。」

大男は、へんな声でいいました。まるで、すりきれたレコードの音を聞いているようです。大男はパンもバターも、かんづめもジュースも、両手に持てるだけ、どっさり買いこんで、千円札を出し、おつりもとらないで、そのまま帰っていきます。

「もしもし、おつりです。」

鳥井少年が声をかけても、ふりむきもしません。なんだか、お金のかんじょうを、よく知らない人のようです。

鳥井君は、あきれて大男のうしろ姿を見ていましたが、その歩き方が、じつにへんてこでした。まるで、機械じかけの人形のような、ぎごちない歩き方です。

鳥井君は、はっと、あることに気がつきました。

「あいつは鉄人Qかもしれないぞ。鉄人はけさ、東洋銀行から札束をぬすんで、逃げてしまったということだ。いまの千円札は、その札束の一枚じゃないかしら。」

そう思ったので、鳥井君は、店にいたご主人に、そのことを話し、おゆるしを受けて、店の懐中電灯をポケットに入れると、いそいで大男のあとを追いました。チンピラ隊にいたのですから、尾行はうまいものです。