Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
そのあいずをすると、いつもなら、にいさんのほうでも、同じようなことをして見せるはずでした。同じといっても、すこしちがいます。スミ子ちゃんが、人さし指を立てて、鼻にくっつけたときには、にいさんのほうは、人さし指をよこにして、鼻にくっつけ、ぱち、ぱち、ぱちと、三度またたきをすることになっていました。もし、スミ子ちゃんが、人さし指をよこにして、鼻にくっつけたら、にいさんのほうは、たてにするというきまりです。
ところがきょうは、スミ子ちゃんが同じことを二度もくりかえしたのに、にいさんはなにもしないで、だまったまま二階の自分の部屋へあがっていくのです。皮の書類かばんを右手にさげたまま、あがっていくのです。
これも、いつもとちがっていました。いつもは、スミ子ちゃんがかばんを持って、にいさんについて、二階にあがることになっていました。そして、そのおれいに、机のひき出しにしまってあるチョコレートや、キャラメルを、スミ子ちゃんにくれるのです。
ところが、にいさんは、かばんをスミ子ちゃんにわたそうともしなければ、部屋へはいっても、おかしのしまってあるひき出しを、あけようともしません。