Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
ふしぎ、ふしぎ。そこは、たくさん木のはえた森の中でした。落ちたのは、やわらかい草の上です。
「へんだなあ、こんな地の底に、森があるなんて。」
いよいよ、ゆめでも見ているような気持です。これも、おばけやしきの、しかけの一つなのでしょうか。
まわりには、いろいろな、ふとい木の幹が、立ちならんで、見とおしもきかないくらいです。頭の上には、木の葉がいっぱい茂っていて、いま落ちてきた、かがみの部屋が、どの辺にあるのか、すこしもわかりません。
「あらっ……?」
そのとき、ポケット小僧が、何を見たのか、びっくりしたような声を立てました。
「ね、あすこ、ほら、木の幹のあいだから、チラチラ見えるだろう。ね、赤い服をきた、一つ目小僧が……。」
ポケット小僧が、ささやきました。小林君も、その方を見て、
「あっ、ひょっとしたら、あれ、ここにとらえられている女の子かもしれないよ。さっき中井君が、そんなこといってたから。」
「あ、そうだね。じゃあ、小林さん、いいことがあるよ。」
すばしっこいポケット小僧は、なにかうまいことをおもいついたらしく、目を光らせて、小林君の耳に、ヒソヒソと、ささやくのでした。