Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
四十面相の変装
カチカチカチと、時のたっていくのが恐ろしいようでした。
「あと五分ですね。」
また、一郎青年がぽつんといいました。
三人は、じろじろと、おたがいの顔をにらみあっていました。
そのとき、一郎青年が、すっと立ちあがりました。そして、ゆっくり、むこうがわへ歩いていくと、ガラス窓をひらいて、まっ暗な庭をながめました。
「なにもいません。庭からやってくるのではないようですね。」
そういって、窓の戸にかけがねをおろして、もとのせきにもどってきました。
チーン、チーン、チーン……。
置きどけいが、びっくりするような音で、十時をしらせました。ああ、とうとう約束の十時がきたのです。
四十面相の変装
約束の十時に、どんなことがおこったのでしょうか。ですが、ちょっとお待ちください。ここでお話をすこしまえにもどして、書いておかなければならないことがあるのです。
おなじ日の夕がた、四時半ごろのことです。おとうさんの淡谷さんが社長をやっている会社の社員である一郎青年は、四十面相のことが心配なので、すこしはやく会社を出て、家へ帰ってきました。そして、千歳烏山の駅でおりて、改札口を出ますと、そこにせびろをきた三十五、六歳の男が待っていて、一郎さんを見ると、つかつかとそばへよってきました。