Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
怪老人は、おそろしい力で、そのまま、ズルズルと刑事をひっぱって、そばにあった公衆電話の箱の中へ、とびこんで、パタンとドアをしめてしまいました。
それでも刑事は、ほそびきを、はなしません。すぐに電話の箱のドアにとびついていきましたが、そのとき、ガチャンと音がして、箱の中がまっくらになりました。怪老人が電球を割って、あかりをけしたのです。
「こら、出てこい。こんな箱の中へはいったって、逃げられるわけはないぞ。ばかなまねをしないで、はやく出てこい。」
刑事がどなりますと、スーッとドアが開いて、怪老人が出てきました。
「ウフフフ……、ちょっと、いたずらをしてみたまでだよ。安心しな。おれは、逃げやしないよ。」
老人はそういって、おとなしく、箱自動車のほうへ連れられていき、車の中へはいりました。
そうして、もとの場所へ腰かけたのを見ると、刑事は、
「あっ。」
と、おどろいてしまいました。
そこにいるのは、あの白ひげの老人とは、にてもにつかない、ひとりの若い男だったからです。顔も、まるでちがっています。あの老人よりはがっしりしたからだつきで、背も高いようです。
ああ、いったいこれは、どうしたことでしょう。