Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

」

ふたりは、夢中になって話していましたので、目の前の時計塔に、みょうなことがおこっているのを、その時まですこしも気がつきませんでした。

最初にそれに気づいたのは、スミ子ちゃんでした。時計塔の屋根の上に、なにか赤いものがひっかかっているような気がしたので、ひとみをさだめて、そのほうを見たのです。

「アラッ、ヨシ子ちゃん、ごらんなさい。あれ、なんでしょう? きみがわるいわ。」

「まあ、あんなところに、あれ、道化師よ。わたし、知らないわ。うちに、あんなものいないわ。」

ヨシ子ちゃんも、びっくりして目をみはりました。

いかにも、それはひとりの道化師でした。まっ赤なとんがり帽子、まっ白におしろいをぬった顔、まっ赤な地色に、白い水玉もようのある、だぶだぶの道化服、その赤い道化師が、時計塔のとんがり屋根のてっぺんに立って、避雷針のながい棒につかまっているのです。

遠いので、顔の表情はわかりませんが、なんだか、こちらをむいて、笑っているようです。

「へんだわ、あんな道化師なんて、うちにいないわ。どこから来たのでしょう。どこからのぼったのでしょう。」

ヨシ子ちゃんは、おびえたように、スミ子ちゃんの手をにぎるのでした。