Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
」
夕やけをうけて、大時計の文字ばんも、うす赤くかがやいていました。その上にそそりたつとんがり帽子みたいな屋根のてっぺんの避雷針の鉄の柱のねもとに、なにものかが、うごめいているのです。
「アラッ! 人間だわ。どうして、あんな高いところへのぼったのでしょう。」
「でも、まっ黒な羽根のようなものが、ひらひらしてるわ。人間かしら? なんだか大きなこうもりみたいよ。」
スミ子ちゃんとトシ子ちゃんは、口々にそんなことをいって、じっと、塔のてっぺんを見つめていました。
そのあやしいものは、避雷針の鉄の柱をつかんで、とんがり屋根をはいあがり、やがて、そのてっぺんに、スックと、たちあがりました。
巨大なこうもりです。いや、こうもりのような人間です。まっ黒なシャツをきて、はばのひろい黒マントをはおっています。片手で鉄の柱をにぎり、片手をあげて、そのマントをひらひらさせているのです。まるで、巨大なこうもりが、はばたいているように見えます。
遠いので、顔はよくわかりませんが、きつねの目のようにつりあがった黒めがねを、かけています。鼻の下には、黒い口ひげが、ぴんとはねているようです。