Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme

Aozora Bunko

天鬼は、私のそれを預かって、今諸国を修行にあるいていますが、来年の彼岸の中日には、上州と周防とのちょうど中ほどの道程にあたる三河の鳳来寺山へ、双方からのぼって、対面しようという約束を書面で交わしてあります。そこで私は天鬼から師のおかたみを受けることになっているので、それまでは近畿のあたりを悠々と、修行がてら見物して歩こうと思っているのです」

ようやくいうだけのことをいい終ったように、美少年は改めて、話し相手の藤次にむかい、

「あなたは、大坂ですか」

「いや京都」

それきり黙って、しばらく、波音に耳をとられていたが、

「すると其許はやはり、兵法をもって身を立てて行かれる気か」

藤次はさっきから少し軽蔑した顔つきであったが、今もうんざりしたようにいう。この頃のように、こう小生意気な兵法青年がうようよ歩いて、すぐ印可の目録のといって誇っていることが、彼には、小賢しく聞えてならない。

そんなに天下に上手や達人が蚊みたいに殖えてたまるものか。第一自分などさえ、吉岡門に二十年近くもいて、やっとこれくらいなところであるのに――と身にひきくらべ、

(こんなのが、将来に皆、どういう飯を食ってゆくのか)