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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

着物は縞目も判らないように汚れている筒袖のようなものを着て、腰にはやはり藤蔓のようなものを巻いていましたが、裳が短いので腰から下はむき出しになっていました。身体は小作りで、まだようよう十三四の子供であるらしく、なんだか山猿に着物をきせたのではないかとも思われるような形で、一心に水の底をうかがっているらしく思われました。藤蔓をわがねて、流れて来る魚を不意に引っかけて、片手で素早く掴んでしまうのだと車夫がまた説明しました。

その説明を聴きながら川上の方へのぼって行こうとすると、わたくしどもの足音を聞きつけたらしく、かがんでいた女の児は水の上から眼を離して、じっとこちらを見つめました。山の中に住んでいるせいか、その児の色の白いのが、わたくしの眼につきました。容貌も悪くはない方でした。唯その眼付きがなんだか人間らしくない、その姿とおなじように山猿を連想させるような一種の強い光りをもっているのが、わたくしに言い知れない不安と不快の感じをあたえました。その眼が三津子さんの眼と出逢った時に、三津子さんの眼の色も俄かに変わったように思われました。しかし三津子さんはなんにも言わないで、わたくしの先きに立って歩いてゆきました。