Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
三
窓の風鈴が急に眼をさましたように忙がしく鳴り出したかと思うと、なまぬるい風がすうと吹き込んで来た。土地っ子の二人は顔を見あわせると、花吉はすぐに立って窓を閉めた。その窓硝子を叩き割るかとも思われるような大きな礫がたちまちばらばらと落ちて来て、この町一円を押し流しそうなシャワーが滝のようにどうどうと降り出した。座敷のなかは蒸し暑くなった。
三
「どうもひどい降りですね。」
「いつもこうです。」と、安井君は平気で答えた。「なに、直きにやみますよ。」
雨の音があまりに強いので、話し声はそれに打ち消されたようにしばらく途切れた。女中が二階や三階を見回りに来たので、安井君はさらにビールと肴とを注文した。
「そこで、土人と猿の一件ですがね。」と、安井君は表の雨の音と闘うように調子を少し張りあげた。
「お話は前にさかのぼりますが、かの小鉄の死体が発見された当時、その死体のそばに椰子の実は落ちていなかったんです。ところが、今度は二つの椰子の実が二つの死体のそばにころげていた。といって、椰子の実で頭を撃たれた形跡はない。人間と猿とは確実にピストルで撃ち殺されたに相違ない。