Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
蛔虫
この話の間に、わたくし共は長い寒い田圃みちをゆきぬけて次の村の入口へたどり着くと、六助じいやはそこらの百姓家をたずねて、一台の人車をようよう見付けて来てくれました。
もうそのさきのことは別に申し上げるまでもありますまい。三津子さんのむごたらしい死骸は火葬にして、わたくし共はその遺骨を護って東京へ帰りました。
関井さんは千葉県へゆくのを止めて、すぐに辞職してしまいました。問題になった山窩の娘はどうしたか判りません。人の知らないところへ行って、身でも投げたか、首でも縊ったか。それとも平気で生きているか。そんなことはいっさい判りません。
蛔虫
T君は語る。
「あの時は僕もすこし面食らったよ。」と、深田君がわたしに話した。深田君自身の説明によると、かれはその晩、地方から出京した親戚のむすめを連れて向島のある料理店兼旅館へ行って、芋と蜆汁を食っていたのだというのである。親戚の娘を妙なところへ連れ込んだものだと思うが、ともかくもその説明を正直にうけ取って、仮りに親戚の娘としておく。その娘は二十歳ぐらいで、深田君の話ぶりによるとなかなか粋な女であるらしい。
それは九月の彼岸前で、日の中は盛夏のようにまだ暑いが、暮れるとさすがに涼しい風がそよそよと流れて、縁の柱にはどこから飛んで来たか機織虫が一匹鳴いていた。