Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
この山林には桐の木が多いので、山窩の群れは時々にそれを伐り出して盗んでゆく。それを監視するのはやはりこの小林区署の役目で、盗伐者を見つけると取り押えなければならないのですが、相手が例の山窩ですから、まことに始末が悪いということです。そればかりでなく、山窩の或る者はここらの官舎へも食べ物などを貰いに来て、こちらが油断していると、そこらにあるものを手あたり次第に掻っ攫って行くそうです。
そんな話を聞かされて、わたくしは山川のふちできのう出逢った山女捕りの女の児をまた思い出しました。あれもきっとその山窩に相違あるまいと思って、関井さんにその話をしますと、関井さんは急にまじめになったようなふうで、少し小声になって訊き返しました。
「その女の児というのは幾歳ぐらいでした。」
「そうでございますね。わたくしにもよく判りませんでしたけれど、なんだか十三四ぐらいのように見えました。それとも、もう少し大きいかも知れません。色の白い、顔立ちは悪くない児でございました。」
「なんにも声をかけませんでしたか。」
「はあ。」
関井さんは黙ってうなずいて、それぎりなんにも言いませんでしたけれど、その顔色になんだか穏かならないところがあるようにも見えました。