Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
「いいものを見付けた。なにかの証拠になるかも知れない。」
かれはその蛔虫をハンカチーフに包んで、すぐに警察へ持って行った。
「話はこれっきりだ。」と、深田君は言った。「この蛔虫一匹で万事が解決してしまったんだよ。好子は結局無関係とわかって放還された。」
「じゃあ、上原という男はどうして死んだのだ。蛔虫に殺されたのか。」と、わたしは訊いた。
「まさにそうだ。僕も毎々経験したことがあるが、蛔虫という奴は肛門から出るばかりじゃない、喉の方からも出ることがある。僕も叔母の家へ遊びに行っている時に、口から大きい奴を吐き出して、みんなを驚かしたことがあった。上原もその蛔虫に苦しめられていて、その晩も口から一匹吐き出した。つづいてもう一匹出ようとする奴を、女の手前無理にのみ込もうとしたらしい。一旦出かかった虫は度を失って、もとの食道へは帰らずに気管の方へ飛び込んで、それから肺へ潜り込んで、かれを窒息させてしまったのだ。こんな例はまあ珍らしい。最初に一匹吐き出したのを、女が早く見つけていたら、飛んだ冤罪を受けずとも済んだかも知れなかったが、男がそっと隠してしまったのでちっとも気が付かなかったらしい。