Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
」と、わたしは訊いた。「それもその狸の皮の同類か。」
「いや、同類じゃない。それは高崎のやはり糸商人で、小間使のように見えた若い女は彼の妾であったようだ。汽車のなかで丁度となりに席を占めていたので、狸の皮の方からなにか魔術を施したらしい。そうして、すきを見てその紙入れを掏り取ってしまった。男は高崎の家へ帰ってからそれを発見して、すぐに警察へ告訴すればいいものを、狸の皮が下車した駅を知っているので、そのあとを追って温泉場へ探しに来た。と、まずこう判断するのだが、死人に口なしでその辺はよく判らない。あるいは狸の皮の魔術に魅せられて、紙入れの詮議以外になにかの目的を懐いて、雪のふる中をわざわざ引っ返して来たのかも知れない。どっちにしても、自分自身で詮議に来るくらいだから、狸の皮にうまく丸められて、遂にそこに居すわることになってしまったのだ。」
「で、その男も劇薬をのまされたのか。」
「それには訳がある。」と、古河君は又説明した。「だんだん聞いてみると、その男も越後では狸の皮とおなじ旅館に泊まっていたのだそうだから、あるいはその晩の劇薬事件について幾分か感づいていたことがあるのかも知れない。