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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

かれは一個の職人で、もちろん剣術も柔術も知っているものではなかったが、その手紙に自分は浪人であるといい、やわら伝授の目録などを添えて置いたのは、腕に覚えがあると見せかけて、相手を威嚇するためであった。殊に、「生兵法大疵の基で先年信州にて思わぬ不覚を取り」などと書いたのは、町人どもが生兵法にわれを生け捕るなどと企てると、思わぬ不覚をとるぞよと暗に戒めたものらしく、その用意周到なる点がどう考えても貧しい職人風情の知恵ばかりとは思われず、その背後に何者かが糸を引いているものと係りの役人はにらんだが、彼はあくまでも強情を張り通しているので、その裁判はすぐに落着しなかった。

かれが手紙をなげ込んだのは、日本橋馬喰町から芝宇田川町まで十軒あまりで、どの家の主人もたびたび奉行所へよび出されて迷惑した。そのなかですぐに訴え出たものは唯一軒で、これは無事に済んだが、他のものは早く訴え出なかったという落度で、みな叱られた。殊に和泉屋市兵衛は訴え出でを怠るのみか、賊のいうに任せてその金をつかわしたのは不埒であるというので、最もきびしく叱られた。賊が手紙をなげ込むに、歴々の大町人を目指さず、また小商人の店をも避けて、中流の町家のみを狙ったのもなかなか賢こい遣り方で、その金高も二分にとどめたのは、相手は思い切って出し易いためであろ