Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
二人が口を結んでいれば、この秘密は容易に知れそうもなかった。僕がかがり火のそばへ近づいた時に、お島さんは又どこからか現われて来て、僕にからだを摺り付けるようにして立っていた。火に照らされたお島さんの顔は緊張していた。そうして、いつもの可愛らしい眼をけわしくして、ときどき僕の顔色を横眼に睨んでいるのは、僕の口からいつその秘密があばかれるかも知れないという大いなる恐れを懐いているらしかった。僕もしばらく黙って見ていると、お島さんはやがて僕のたもとを強くひいた。
「福原さん。もう行きましょうよ。」
僕はやはり黙って見物の群れから出た。かがり火の影からだんだんに遠くなると、お島さんは暗いなかで僕にささやいた。
「あの芸妓はどうして殺されたんでしょう。」
「さあ。」
「あなた、後生ですから誰にもなんにも言わずに下さいな。」と、お島さんは訴えるように言った。
「なにを黙っているんだ。」
「水沢さんと一緒に舟に乗ったことを……。」
「言っちゃ悪いか。」
「おがみますから、言わないでください。」
「お島さんは水沢さんとどういう関係があるんだ。」と、僕は意地わるく訊いてみた。
「別になんにも関係はありませんけれど……。