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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

泳いで逃げたか、覚悟の身投げか、あれかこれかと考えていると、夜は十二時を過ぎた頃であろう、障子の外から低い声がきこえた。

「福原さん。もうおやすみですか。」

「お島さんか。」と、僕は枕をあげた。

返事の声を聞いて、お島さんはそっと障子をあけた。そうして、僕の枕もとへいざり寄って来た。

「あの、水沢さんが帰って来ましたよ。」

「帰って来た。どんな様子で……。」

「帳場はもう寝てしまったんですけど、あたしは何だか気になりますから、始終表に気をつけていると、誰か表のところへ来てばったり倒れた人があるらしいんです。それからそっと出てみると、水沢さんはびしょ濡れになって倒れていましたから、介抱して座敷へ連れ込んだのですが、なんだかきょときょとしているばかりで碌に口もきかないんです。どうしたんでしょう。」

「まあ、そっと寝かして置くより仕方がない。ここで騒ぐと藪蛇だよ。あしたになったら気が確かになるだろう。」

「そうでしょうか。」

お島さんは不安心らしい顔をして、またそっと出て行った。ともかくも水沢が無事に帰って来たというのを聞いて、僕もすこし気がゆるんだとみえて、お島さんが出て行くと間もなく、うとうとと睡りついて、眼が醒めると家じゅうがすっかり明かるくなっていた。