Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
又は相当の財産のあるのを知って、物とりの目的で忍び込んだのかも知れない。いずれにしても、その犯罪の動機には金銭問題がまつわっているらしいことは、誰にも容易に想像されることです。わたくしも無論その方面に眼をつけて、相原医師から金を借りている者や、ふだん親しく出入りしている者を一々内偵しましたが、どうも取り留めた証拠も挙がりませんでした。
会津の方から相原医師の親戚が出て来て、ともかくもこの事件の落着するまでは相原家を預かっていることになって、与助もやはり一緒に暮らしていました。殺された者の不幸はいうまでもありませんが、残された低能児の身の上も更に可哀そうです。ふだんから親思いであっただけに、毎日悲しそうな顔をしてそこらをうろうろしているのが近所の人たちの涙を誘って、あの児はこれからどうなるだろうとみんなが頻りにその噂をしていました。すると、ある日の午後です。与助は駐在所の前に来て、なにか内をのぞいているようですから、わたくしはすぐに声をかけました。
「おお、与助。なにか用か。」
与助は黙ってわたくしの顔を眺めていましたが、やがて両足を踏ん張って両手を振りあげて、何か物を打つような姿勢をみせました。