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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

外国人はふだん注意しているので、その禍いに出逢うものは極めて稀であるが、土人は往々油断してその犠牲になることがある。小鉄の死に場所が椰子の林であるだけに、その頭を打ったものは人間か木実か、容易に判断をくだすことが出来ない。若い美しい芸妓が椰子の木の下をうろついているところへ大きい木実が突然に落ちて来て、その脳天をむざんに打ち砕いたのかも知れない。もし果たしてそうならば、単に一場のいたましい出来事として、その不運を憐れむよりほかはない。同伴者のダルトンを疑うわけにはいかない。

しかしダルトンにもうしろ暗い点がないでもない。もしそういう非常の事件が発生したならば、同伴者のかれは当然その付近の人家へ駈け付けて、その出来事を報告しなければならない。そうして、かれとして能うかぎりの手当てをも加えなければならない。椰子の実に頭を砕かれた若い女を、そのまま見捨てて逃げ去るという法はない。異常の恐怖におそわれて、前後の分別もなしに逃げ出したといっても、若い者ならば知らず、もう六十にも近い老人としてはあまりに軽率である。この点において、かのダルトンも一応の詮議を受けなければならない。