Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

年頃恰好の似通ったお屋敷勤めの若党と女中の二人をキュウと絞め殺させてね、源七どんに無理無体書置をしたためさせて、ぽっかり大川へ沈めたというんです。そうして置けば、世間は心中したろうと思い込んで、騒ぎもなくなるし、人目もたぶらかすことが出来るから、そのすきにゆっくり責め立てて、二人に手を切らし、まんまと誰袖を手生けの花にしようと、今以て日夜の差別なく交る交る二人を折檻しているというんですがね」

「ほほうのう! ならば源七をバッサリやればよい筈、邪魔な真夫を生かしておいて、似せの心中者を細工するとはまたどうした仔細じゃ」

「そこが江戸花魁のうれしいところでござんす。斬りたいは山々でしょうが、源七どんに万一のことがありいしたら、わちきも生きてはおりいせぬ、とか何とか程よく威しましたんでね、元も子も失くしちゃ大変と、首をつないでおいて、下郎風情があのような別嬪を私するとは不埓至極じゃ、分にすぎるぞ。手を切れ、たった今別れろと、あくどく源七どんを御責めになっていらっしゃると言うんですが、二人にとっちゃ必死も必死の色恋に相違ねえから、どうぞして逃れたい、救い出して貰いたいと考えた末、ふと思い出したのは――」