Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.923 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

一月八日

真個に、まざまざと自分のところへかえって来た彼が、あの深い、大きな熱情で、しっかり抱擁して呉れた、あの恍惚を、あの感触を眼ざめて、あっけない夢だと知ると、妙な悒鬱が心を閉じ込めた。彼に対する魂の愛が深いに比較して、肉体的にも深い熱望を感じる。時には殆ど情慾とも呼ぶべきものだと思わずには居られない時がある。そう云う(気分)から脱すべきである。其を知って居る。が、彼をしっかりと抱き締めて、深い二人の祈りの中にでなければ、自分の此の苦は完全に離脱しないと云う心持さえする。

一月八日 木

昨夜は苦しい一晩であった。眠ろうとしても、眠ろうとしても、苦しい亢奮と圧迫とから、心は鎮まろうとする処か、却って夜が更けるにつれて、苦しく成って来る。グランパや! 貴方はその部屋で、どんな夜を過して御出でになるのですか、淋しくはありませんか。苦しくは御ありになりませんか。自分の経験するような苦痛は、自分が此那にも愛する彼には、もっと軽くあてて上げたいと思う。然し、斯うやって、自分が、徹夜して、苦しい一夜を起き明す彼方で、自分の半身が何の苦痛も寂寥も感じずに居られるとしたら、其は矢張り淋しい。