Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.923 Zeichen · 46 Bildschirme
七月三十日
自分の愛するものに、絶望や嫌厭や、否定の言葉を放つとき、二人が苦しんで居るという意識で、彼女は目がくらむようになり、夢中になって、尚一層苦々しい激しい、ぞっとするような言葉、「いや」とか「きらい」とか「思い違い」という言葉を洩す。其は、きっと戻って来る愛への確信の心に立つものであって、動かない、という意識から故意に動す、あわれな人間の悪魔的なもがきである。
――○――
感情的な小ぜり合いの後、何で和解するのかと思う反省は、彼女を懐疑にしずませ、躊躇させた。皮相的に其は互の都合よき交接の相手を失うまいとする底意、どうせ何といってもという肉体的の関係に負けるのではあるまいかと思われた。がそうではない。
七月三十日 金
四五日来、自分達と母との間には、もう決定的な感情の衝突が起って消えない。
母は私を愛する余り――自分の考え得る最も理想的な偶像として私を期待する余り、総ての点に於て失望が起ったのだ。第一、此世に私を愛する点に於ては、又とないものだと自信する自分以外に私は彼をより深く愛すこと、その彼は、彼女の目から見ては、只私を操ったり、ごまかしたりするほか能のないように思われるところから、彼女の不平や絶間のない罵が来るのであろう。