Japanische Klassiker mit Furigana
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あんこくにっき
暗黒日記
清沢 洌
Lesen Sie 暗黒日記 (あんこくにっき) von 清沢 洌 (きよさわきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.322 Zeichen · 188 Bildschirme
四月四日(火)
すると、みな鳥目になっていたそうだ。これはどうも実話らしい。
日本人は戰爭に信仰をもっていた。日支事変いらい僕の周囲のインテリ層さえ、ことごとく戰爭論者であった。小汀利得君も、太田永福君(富士アイス専務)も、そうであった。事実、これに反対したものは、石橋湛山、馬場恒吾両君ぐらいのものではなかったかと思う。今後の戰爭は戰爭信者に対する何よりの実物教育であろう。だが、余りに高すぎる教育である。
この四月一日から百円の月給とりが、源泉課税を七円五十銭差引かれることになった。九十二円五十銭で、家族五、六人の生活をしなければならぬものはザラにある。砂糖一貫目百二十円は安いという時代に。戰爭というものが何を意味するかを納得することは、將來の日本のために大切である。
四月四日(火)
ある会で陸軍報道部の矢野(志加三)大佐が演説したが、そこで、「眞珠湾を攻撃したことは、米国という眠れる獅子を搖り起したと考えた、といったら当時僕は気狂いのように言われたものだ。この責任はわれらが負わねばならない」と言ったそうだ。こんなことをいう人が軍部にいるとは意外である。
(後記、あとで矢野大佐は海軍と知った。