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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

と、こう書いて来ると、いかにもサムはイージイ・ゴーイングな、歌ばかりうたっている兵隊みたいだが、中々どうして、サムぐらい真面目に勤務する男は珍しかった。彼はいつも大きな拳銃をぶら下げて、雨が降ろうと夜中であろうと、何かあるとすぐ飛出して行くのであった。アパリの仮収容所はすこぶる広く、アコーディオン・ワイヤを張りめぐらした外側に、携帯テントを張ったり空箱を置いたりして、比島兵が十二箇所で張番しているのだが、夜など、どうかすると、そのポストを離れるのがいる。サムはどこで見張っているのか知らぬが、そんな時、必ず、おっ取り刀ならぬおっ取り拳銃で駈けつけては、注意するのだった。

これ等の比島兵は、謂う所の事務所から、二十メートルばかり離れた所に、大型のテントを張り、三交代で勤めていた。朝昼晩、トラックが食事をはこんで来ると、食器を持ってテントから出て来るのだが、当番の兵隊が見張場所から飛び出して来ることもあった。ある時サムがこれを発見し、平素に似合わぬ厳格な態度で、そんな兵隊をそれぞれのポストに追い返したばかりか、トラックをかこんでワイワイいっている連中を、一列に整列させた。