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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

今度帰ったら別のモリーと仲よくするからそう思えと書いてやる」としきりに憤慨する。僕はまんざら冗談でもなく、「僕は人相を見るが、この娘は忠実な顔をしている。君を裏切ったりするような娘ではない。病気をしているかも知れず、そんな手紙は書かない方がいいだろう」といった。サムはそれ以来、彼のガールの話をしなくなった。恐らく再び手紙が来るようになったのだろう。

別の晩、やって来た時「サムよ、君はそのクレージイ・ウォア以外に何か歌を知らないのか」と聞くと「知っているさ」という訳で、新しい歌をうたった。曲はクレージイ・ウォアとどこが違うのか、僕には分らなかったが、その中に「将校は鶏の胸の肉と脚の肉を食い兵隊は翼と尻とを食わされる」という文句があり、僕は大きに笑った。米本国のことはいざ知らず、比島の野戦陣地では、将校も、下士官も、プライヴェート〔兵〕も、まったく同じ食物である。将官でなければ、いわゆる当番兵はつかない。兵隊と同じように食器を持って炊事場に並び、食事する場所は違うが、食前の食器消毒も、食後の清掃も、自分でするのである。これが本当のデモクラシーだと思っていたが、プライヴェートにすれば、同じ鶏にしても、将校にばかり胸の白い肉や脚の赤い肉が行くと、ひがむのであろう。