Japanische Klassiker mit Furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Lesen Sie 永日小品 (えいじつしょうひん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.000 Zeichen · 100 Bildschirme
柿
ごとりごとりと云う音がする。たしかに台所の入口である。暗いなかを影の動くように三歩ほど音のする方へ近くと、もう部屋の出口である。障子が立っている。そとはすぐ板敷になる。自分は障子に身を寄せて、暗がりで耳を立てた。やがて、ごとりと云った。しばらくしてまたごとりと云った。自分はこの怪しい音を約四五遍聞いた。そうして、これは板敷の左にある、戸棚の奥から出るに違ないという事をたしかめた。たちまち普通の歩調と、尋常の所作をして、妻の部屋へ帰って来た。鼠が何か噛っているんだ、安心しろと云うと、妻はそうですかとありがたそうな返事をした。それからは二人とも落ちついて寝てしまった。
朝になってまた顔を洗って、茶の間へ来ると、妻が鼠の噛った鰹節を、膳の前へ出して、昨夜のはこれですよと説明した。自分ははあなるほどと、一晩中無惨にやられた鰹節を眺めていた。すると妻は、あなたついでに鼠を追って、鰹節をしまって下されば好いのにと少し不平がましく云った。自分もそうすれば好かったとこの時始めて気がついた。
柿
喜いちゃんと云う子がいる。滑らかな皮膚と、鮮かな眸を持っているが、頬の色は発育の好い世間の子供のように冴々していない。