Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

」

老人が、しずかにいいました。園井さんは、しかたがないので、ふろしきづつみをといて、黒ぬりの箱を出し、そのふたをひらいて、老人の前にさしだしました。

老人は「にじの宝冠」を手にとって、いかにもうれしそうに、長いあいだ、ながめていましたが、にせものでないことが、よくわかったらしく、深くうなずいて、

「ああ、じつに美しい、この光は、まったくにじのようじゃ。園井さん、たしかに『にじの宝冠』ちょうだいした。わしの美術館の宝物として、長く保存しますよ。それじゃあ、正一君を、おひきとりください。」

といって、部下に目でさしずをしました。部下はまた、うやうやしくおじぎをして、正一君を園井さんのそばへつれてきました。

「おとうさん!」

「正一、ぶじでよかったなあ。」

親子は手をとりあって、よろこびあうのでした。

それから、園井さんも、正一君も、また目かくしをされて、部下のものに手をひかれ、せまい地下道を通り、そこを出ると、森の中の草をふみわけて、丘をくだりました。そして、そこに待っていた賊の自動車に乗せられて、東京にもどり、神宮外苑のさびしい林の中で、おろされてしまいました。