Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

空飛ぶ巨ゾウ

支配人は屋上庭園に出て、キョロキョロとあたりを見まわしましたが、松村の姿は、どこにも見えません。

屋上も、まだ客はまばらでした。黒い背広すがたで、真珠塔の大きなケースをかかえている松村が、見つからないはずはないのです。店員や元刑事たちは、ひろい屋上を、あちこちと気ちがいのようにはしりまわり、人のかくれそうな場所は、のこりなくしらべました。しかし、松村の姿は発見されないのです。

「べつの階段から、下へにげたのじゃないか。そっちの階段をしらべてくれ!」

支配人が、声をからしてさけびました。

一団の店員が、その階段をかけおりていきます。そのとき、屋上にのこっていた、ひとりの店員の口から、とんきょうなさけび声がほとばしりました。

「あれっ、あすこだっ。あんなとこに、ぶらさがっている。」

店員は空を指さしていました。みんなの顔が、いっせいに、その方を見あげました。

ああ、なんという、はなれわざでしょう。松村は空中にかくれていたのです。みんな屋上庭園ばかりをさがしていて、まさか松村が、空に浮いていようとは、少しも気がつきませんでした。

空飛ぶ巨ゾウ

そのデパートの屋上の空には、巨大なビニールのゾウが、飛んでいました。